どもKENTEKOです。
結論から「会社辞めました。」
内定をもらってからの試用期間中。
まだお互い、労働条件通知書も入社承諾書も交わしていない、とにかく書類を何も提出することなく辞めました。
肉体的にもなんですが、追加でちょっとメンタルをやられかけるくらいの労働環境で。
実際の労働環境、直属の上長から聞いた現状に至るこれまでの経緯に関する愚痴など、またまた勉強になりましたというか、まだそんな事を言ってやらせようとしているのが中小企業なんだよなぁ、という内容がてんこ盛り。
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初出勤当日。
朝礼があり、その後入社書類の引き渡しや諸々の説明タイムがあった。
その時に聞いたのが、年一回の旅行や年何回もある親睦会の積立金が給料から天引きされるということ。しかもその額が結構エグイ。その額あったら積み立てNISAした方がいいじゃんと即座に思ったわ。しかもそれを言い出すタイミングよ。
初出勤当日に言われ、葬送のフリーレン フェルンが一級試験の際、ゼーリエに「私の弟子になれ」と言われ「え、嫌です。」と即答できる空気でもなく、なし崩し的に色々な説明の中に天引きの説明が盛り込まれる展開。ファースト不信感が沸き起こった。
「そんなん会社が全部出せよ」って。
なんかアレかな「お前ら貧乏人は、会社で旅行でも設定してやらにゃ、金なさ過ぎて旅行なんていけないんだろ?社長に感謝せーよ?(ペシペシ)」みたいな?しかも、強制参加だし。だったら猶更、会社が出さんかいって話。
カレンダー見てたら、その社内行事は確実に土日を絡めてて。
休日を無くされ、毎月自動的に金吸われ、その上強制参加って地獄じゃん。
※なんか欠席時は、次回に持ち越しで返金されないとかって。
調べてみると、無条件での天引き方式は違法(労働基準法)だが、労働規約に盛り込み、双方合意の上であればOKという”ざる”ルールなので、逃げられないタイミングで雇用側の優位性を巧みに使った手法なのだろうと受け取った。
その後、一応準備された私のデスクに置かれた労働条件通知書の内容を見る間もなく業務を開始することに。
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初日なんで、軽いジャブ程度の作業ばかりだった。「これくらいだったら大丈夫かな?」とこれからやっていく未来に光を見出していた。甘い。
翌日からは業務都合による早出指示が。確か私は、早朝勤務が体力的に厳しいので、現実的な勤務開始時刻の会社を選んだはずだったんだが。
「そこは業務状況に合わせて」という魔法のワードで如何様にも変えれてしまうのは、世界七不思議にもカウントされるんじゃなかろうか。当然起床時間も早まる訳で、何度もあくびをしながらの通勤開始である。
早く到着して何があるのかと言えば、コンテナからの荷下ろし作業である。所謂『デバンニング』だ。天井目一杯まで積まれた一個あたり20kg以上あるダンボールをパレットに積み替えていく。その数1000ケース以上。私は過去にもデバンニングはしたことがあるが、重量が上がればそれだけ過酷度は跳ね上がる。幸い今の時期は気温が低く、温度による疲労は感じなかったが、先輩社員の話で夏場は地獄になるのだと。主に中国からの輸入物で、外にでも置いといたのかというくらいの砂埃が巻き上がる。最初マスクをしていなかったので、慌ててマスクを取りにいった。口の中ジャリジャリ。
こんなデバンニング作業が、ほぼ毎日発生するのだ。
来るのは関税の関係から40F(フィート)という一番大きいのしかこない。
マジこれ欲しいと思った。
先輩社員の話では、二年くらい前は週にコンテナ一本程度の着荷だったらしい。まぁ、その程度だったら、週一回の筋トレ修行タイムと割り切れるのだろうけど。
営業が顧客要望を聞いている内に取り扱い商材が増え、週の過半数がコンテナ到着日として設定される様になったのだとか。通常であれば、そんな物量増加に合わせて各種設備投資をするのがセオリーだが、この会社ではそういったことはせず「既存人員のままでその作業をこなせ」との指令が経営陣から来たとのこと。
「倉庫には隙間なく荷物を入れろ(通路も無くせ)」
「設備投資なんかしたらアイツらサボるからダメだ」
とか言ってたらしい。
朝礼で何かの本の切り抜きを社員全員で唱和させ『親切』とか『思いやり』とかやってる会社経営者の発言がコレである。
思いやりはドコ行った?
そんなこんなで、朝っぱらからの重労働を終えた後は、すぐに出荷作業が始まる。
会社の至る所に経営者の意思は伝わるもので、その倉庫状況には経営者の思想が沁み込んでいた。
「倉庫には隙間なく荷物を入れろ(通路も無くせ)」
「隙間分の商品を保管して出荷すれば売上が上がるだろ」
パレットで商品を保管する倉庫によくあるラック(棚)には、当然商品が乗ったパレットが空きなく枠に入っていて、そのラックの前に荷物の乗ったパレットが4段積みされている状態。それですべての通路が埋まっているのだ。
積んであるパレットは荷崩れ防止のためにラップを巻くなどしなければならないが、そんなことをしている時間が無いので、基本は積まれたままの姿で段積みだ。これから梅雨の時期に入ると、ダンボールが湿気で脆くなり、様々な危険を孕むことになっていくことは容易に想像がつく。上司も同じことを言っていたが諦めモードだった。
最近地震も多いのでね、本当に危険な職場環境だと思うよ。
本来そのスペースは、リフトが入っていって商品の出し入れをする空間なのだが、とにかく商品が”すし詰め”状態で入ってて、場所によっては人が入っていく隙間もない所がある状況。
そんな感じでほぼ通路が埋まっており、商品ピッキングをする際はリフトは使えず、台車で商品付近まで向かい、商品がある場所までは台車が入っていけないので少し手前に置いといて、奥から一箱20kg以上ある商品を抱えて台車に戻るという”少林寺三十六坊”の修行を想起させる作業性になっていた。1箱で済めばいいが受注が5箱、10箱となっていれば、その回数往復になる。重ねて持っていける程のスペースがない。
新人の私に回ってくる作業は、そういった先輩社員が回避した仕事が多く、そういう困難なピッキング状況を続けることになっていた。私がやらなくても誰かがソレをやるのだが。
そんな保管状況なので、同一商品が至るところに点在する。
「そんなのはどの倉庫でも発生するよ」と思われるかもしれないが、ここの倉庫はこれまで私が見てきたところよりも群を抜いていた。それぞれで商品を準備するので、どれが使っていいのかいけないのかがわからない。よく「その商品はアッチにもあるからそっちから使って」とか言われた。言われて毎回「え?ここにあるのに、わざわざ奥まで行って取ってくるの?」と思っていた。
こんなリフトが動く範囲も制限され、台車が通ればマシで人がかろうじて通れる通路を巧みに使わないといけない倉庫でのピッキングで『先入先出』を励行するとは狂ってんな(笑)
ベテラン社員でも商品を探している状況が発生していた。幸いその在りかを知っている人がいて、脚立に乗ってラックの三段目から商品を降ろしたり。見てて危ないし、会社は何やらせてんだよって感じで遠くから見守ってた。
そんなことをやっていると時間はあっという間に過ぎていく。時計を見ると11時55分だった。「もう少しで昼休憩だ~」とちょっと元気が出たかな。気のせいだな。
12時が過ぎ、作業中に「昼飯行きましょう」と言われたんで作業を中断し、食堂で頼んでおいた弁当を食べた。
事務所に12時20分頃戻ると、先輩から「〇〇さんに次やること聞いてきて」と言われ、聞きに行けばそこから作業が開始となり、昼休憩は正味15分程度で終了。
わけもわからず飯食ったらすぐに作業再開という苦行が始まってしまった。
「こんな状況が続くのだったら無理だわ」と強烈に印象付けられたエピソードだ。
私が居た倉庫以外にも、県外、市外にいくつかの場所に倉庫が点在しているのだが、そのどれも使い勝手の悪い立地であったりした。現地にフォークリフトも無く、ひたすら台車に乗せ倉庫内の指定場所に降ろすという仕様の倉庫ばかりだった。
朝のデバンニングに続き、狭いところでピッキングして、その後4t満載で出発し、現地で手降ろし。筋トレに置き換えても、明らかなオーバーワーク状態だ。痛みや疲れが取れやしない。腕も傷や青あざだらけになった。
せめてトラックから倉庫内への搬入能力を高めるために、ハンドリフトでもあればと聞いたのだが、経営者の「設備投資なんかしたらアイツらサボるからダメだ」理論により過去に却下されたとのこと。
上司よ、アンタ一体過去に何やらかしたのさ。
全部この流れで、絶望しかないんだけど。
ここって網走ナントカだっけ?
要は「コレがあれば今の時間の半分で済むのに!時間が出来れば別の仕事に集中できるのに」的なことががまったく許容されない会社なのだ。理由は時間短縮をすると『サボる』 いや、子供じゃないんだから。
朝一のデバン(荷下ろし)もパレットに乗せ換えてからきてもらうだけで、2時間で社員が5人も割かれる状況がリフトマン一人30分で済むのにとか、各地の倉庫での手積み手降ろし、倉庫搬入、格納も、ハンドリフトがあれば往復回数を半分にできるのにとか、当たり前の改善策を出し続けても、経営者の屁理屈で突っぱねられ続け、もう意見を出す気力も無くなったと上司の二名が語っておった。
そういった業務改善を許容もしない、検討もしない会社に所属し続けるのって、先々考えても地獄でしょ。
そんな会社が唯一やった改善策が求人。それにまんまと引っ掛かったのが私。
聞くとこれまで何十名も辞めていったと上司から聞いた。この倉庫規模で倉庫スタッフが何十人と辞めるって異常過ぎ。上司がちょっと盛ってるかもしれないけどね(笑)
私の応募が来るまで、まったく応募が無かったと言っていた。
なんか退職者が書く会社の評判サイトで、結構書きまくられているらしく、調べる人はそういった情報を見て選ぶので、選ばれない会社という事になってしまっているのだとか。私今回そこまで調べてなかったわ( ;∀;)失敗したっ!(何度目だよ)
一回、噂の社長が来て挨拶をしたことがある。昭和のワンマン社長って感じだったな。
「俺がそう決めたんだ」と言い張ったら頑として何も変わらない会社だと察した。
周囲の社員の態度も”尊敬”ではなく”畏怖”で。何あの整列状態。見ててなんか笑えた。
会社組織を統治するだけだったらそれだけでいいのかもしれんが、会社の成長と発展を考えた時に、物流の設備投資に金を出し渋る傾向はどうなんだろう。高額外車に乗っているので、自分には甘いんだろうな。別に儲かってる会社だからいいんだけどさ。内情を見るとどうもね。
とにかく非効率で環境が人の邪魔しかしていない倉庫だったし、会社の兵站軽視動向も見えてしまい、ただただ大変な作業を繰り返しやらされる労役、これは早々にお暇せにゃならん案件だと思って辞めた。
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最終日の退社時、上司が居たので、こんな短期間で離職することについてお詫びをしようと声をかけた。すると向こうが「ちょっと時間いいかな」と吐き出す様に会社に対する愚痴をこぼし始めた。溜まってたんだなぁ(;^_^A
二名の上司は私より年齢が上で、体のアチコチにガタが出てきてて、この先やっていけるのかどうかも不安なんだと。実際に経験してみて正直な話、定年(65)までは無理だと思うわ。若いうちならなんとか耐えられるかもしれないけど、例えば役職が上がっても若い時と同じ作業がずっと続くのは見えてしまっているので、若い社員もいずれ辞めていくだろう。これはその社員が悪い訳ではなく、単に経営方針のミスなので、経営者が考えればいいだけのことである。
その時になってようやく改善行動に移されるのかもしれないが、そうは思わないかもしれないなと感じる。繋がりの強いアジア圏からの移民労働者を安易に受け入れそう。
いや、移民労働者も逃げ出すよ。
去った私がどうこうしようも無いが、あの上司の悲壮感漂う表情は、記憶に強く刻まれたのでした。
そして、ちょと以前から少しあった足回りの負傷を大きくしてしまいそうな職種である倉庫業は、今後の働き先としては二度と選ばない、止めとこうと決心したのであった。