Kenteko Blog

世間に渦巻く罵詈雑言を無視し健やかに生きるために

目標店舗数と実際と現場の実情とか

どもKENTEKOです。

 

 

『 1000店舗達成!!』とか色々景気の良い数字を見かける事があるかと思います。

私も以前勤めていた会社で300店舗くらいの店舗網が短期間の間に1000店を超えていくスケール事業の波に数年間飲み込まれ続けた経験があり、大変な思いをしました。

 

日々地道な努力と根回しの徹底、在庫管理やスケジュール共有、スタッフのメンタルケアなど、管理職に圧し掛かる業務量は相当なものでした。

弱音を吐く暇もなく、とにかく現場を回す事だけに集中しなければ達成できません。

 

更に自分の部署だけが良くても、関連部署の業務が遅延していたら手伝わないといけませんので、通常の3倍以上働くという状況が日常に。

 

フランチャイズの場合、出店もそれぞれのオーナー単位でこなしていく訳なので、少々事情は変わると思いますが、本部は私が経験した状況と同じになるでしょうね。

 

 

 

  

・優遇されたFC店舗譲渡

以前私が勤めていた会社の運営する店舗は直営店が主で、FC店舗はほんの数店しかありませんでした。そのほんの数店のFC店舗も元社員ののれん分け店舗だったりして、経営不振になると直営店に買い戻すといった対応がされていたりました。

店舗は戻りますが、やってた元社員オーナーは戻ってはこれないので、それなりのリスクは負ってる感じ。

 

 

・事実は小説よりも奇なり

以前あった出戻り店舗の話で、次長クラスの方がのれん分け制度で二店舗の経営権を買って始めました。

そこそこの売上を出している店舗でしたので、特に何もしなくてもストックビジネスとして機能していく店舗だったみたいです。

問題があったのは経営者になった方でした。

月の売上が2000万円程に達するので、口座残高の数字はハイペースで膨れ上がります。

その数字を見て気持ちが大きくなったのでしょうか、散財を始めたらしいのです。

 

その売上には後に発生する”仕入れ代金”や”ロイヤリティー”の支払いが含まれますので、まんま使ってよいお金ではないのですが、今まで手にした事の無い金額で感覚がおかしくなってしまったみたい。

ほどなく約半年で支払い遅延が発生、店舗回収となったという顛末。

 

上場企業の次長クラスですら、いざ経営をとなればこんな感じであっさりと転落していくので、経営の勉強は必要だなと感じます。あと自制心ね。

今でもこの話を時々思い出します。

 

売上が経営開始時から2000万円もあるという超恵まれた環境。

それでも失敗する人が居るという現実。店は続いているんですけどね(;^ω^)

 

同じ様な形態で引き継いだ別の方がいて、昔営業利益がどれくらいあるのかを聞いてみましたところ、100~200万くらいあるとのこと。

オーナー収入を40万くらいに設定し、残りを設備投資資金としてしっかり蓄えている方でした。

その方は以前から「キレ物」と言われていて、数値管理や設定などについてキッチリやられる方でしたので流石だなと。

この方の運営でしたら、その事業自体が衰退しない限りは続いていくのでしょうね。

 

 

・気になるFC

いつも見ている『フランチャイズ地獄からの脱出 藤原義塾からの報告書』にあった記事。

blog.livedoor.jp

『コロッケのころっ家』は、以前から広告を見ていたので知っていましたが、なんだか昭和臭のするマーケティングだなぁとは思いました。原宿のタレントショップを思い出す。

 

私が加盟を検討している立場で考えた時、販売する商品以外のリスクを考えてしまうところがあります。

それはコロッケ氏の何かしらのトラブル発生。

店舗の営業努力とは関係ないところでのトラブルによりイメージダウンや販売力低下などを危惧する訳です。

昨今芸能人のスキャンダルなどが目立ちますのでね。

当然事業の前面に出るコロッケ氏は、そんな事は重々承知で細心の注意を払ってはいると思いますが絶対はありません。

決してコロッケ氏を悪く言うつもりもないですし、昔から好きなタレントさんなのですが、自分がやるビジネスとして考えると、ちょっと前面に出すぎ感が否めない。

またこの名前の店舗ですと、コロッケ氏が店頭に立ちコロッケを揚げて接客をしていないと強みにならない気がします。多分その店はとんでもない売上になるでしょうね。

でもそれは現実的に無理であること。

そんな事を思うと、中々加盟に踏み切れないところがあるなと感じる次第。

 競合が地元スーパーなどになるので、売りが立つのかもかなり迷う。

住宅街にポツン店舗作戦なら成功しやすいかも。高齢者が多い地域では無く、新興住宅地でお昼と夕方のみ営業とか。

それでもやってみないと分からないのがビジネスの醍醐味なので、良い方向に向かっていくのを願うばかりです。

 

記事ではコロッケ屋と一緒にブルースターバーガーのFCも紹介されていました。

接客行為を極限まで減らすシステムで、低価格でも利益を出せるというモデルのハンバーガー屋です。

仕組みはアリアリだと思うのですが、これはかなり立地に気を使いますね。

その立地でターゲットをどこにするのか、めちゃくちゃ神経を使って決めていかないと鳴かず飛ばずで終わりそう、というのが紹介サイトなども見た感想。

ピンでやらずに、何か別の飲食店と並走すればそこそこいけるのかもという感触です。

店舗の表はハンバーガー、裏方はゴーストレストラン並走とかならいけるかも。

本部がOKを出すかになってくるけど、何も保証が出来ないなら、そこは自由にやらせてもらわないと。

 

出店が加速していないところが共通しているのは、目標店舗数1000店との大風呂敷を広げる傾向があるという事でした。

結果的に1000店舗になりましたという事ではなく、本部の目標がそこという事です。

結構な確率でサービスレベル、品質、サポートレベルの低下は避けられないでしょう。

急激に増加させる意図としては、加盟した現場は儲けがでない可能性が高くなるかも。

 

それとは逆に「から揚げの天才」では、2年ちょいで100店舗と同タイミングでのスタート組では着実に店舗数を増やしている印象。

から揚げ屋もレッドオーシャン気味なので、慌てて1000店舗なんて出したら”いきなりなんとか”みたいになっちゃうでしょうね。急激な成長は急激な老化を伴うので止めた方がいいとは思います。

儲からない加盟店が入っては辞め入っては辞めを繰り返し、チェーンの評判も落ちていく。

 

成長はジワジワ、撤退は一気にです。