どもKENTEKOです。
夢見て起業。
しかし現実は厳しく、今後どうするのかを考える時が必ずあると思います。
その時重要になるのが『撤退基準』です。
私は明確な撤退基準を決めていましたので、サンクコスト*1に後ろ髪を引かれる事なく、(自分がやる仕事として)終了させるに至りました。
★ご注意★
これは自分達がたまたま関わった『高齢者配食ビジネス』での出来事を主として話を進めますが、それはあくまでも自分達がやった時の状況が話の中心になります。
そのため、このビジネスに問題があるとか、全ての同業店舗がそうであるという事ではありません。
やり方やタイミングなどによっても色々と変わります。
そして『運』の要素も大きく影響してきます。
我々の時は、課題が多く資金も足りなくなり捌き切れなかった結果ということで。
そんな諸々の点につきましては、誤解の無き様、お願い申し上げます。
- ・撤退基準作り
- ・基準の理由
- ・情報量が増加
- ・自分達が食っていけるのかどうか
- ・忘れちゃならない『消費税』のこと
- ・収益化のしにくさ
- ・実際の報酬状況
- ・ビジネス的にどうだったのか
- ・二年目以降の決算結果
- ・同業他店の動画やブログで情報収集を開始
- ・経費のジレンマ
- ・安定するのは
- ・打開策を模索
- ・共同経営者の破綻
- ・単独経営になってから
- ・最後に
・撤退基準作り
起業しフランチャイズ加盟をして一年が経過した時でした。
(本当は開始時点でやらないとダメなんですけどね。)
会社の初手として始めた事業「高齢者配食事業」について、共同経営者間で撤退基準を決めておこうと、自分の見立てについて連絡をしました。
伝えた内容は、「三年後の決算で赤字状況だったら撤退する」
共同経営者は、たった一年しか経過していない段階で進退を決める事に抵抗があったらしく、中々回答をしてくれません。
共同経営者はアスリート畑出身。
その分野特有の「最初から負ける事を考えて練習(行動)する奴があるか」という考えもありそうでした。
実際そうなのかどうかを明確に聞いた訳ではありませんが、撤退基準について決めておくという考え方に拒否反応を示していました。
とある日の日中に時間があった時、強制的に呼び止め、一応OK回答を得ました。
強引に決めた感じもありましたが、経営者間で撤退基準を作る事に成功しました。
まぁそんな共同経営者は、結果を見る三年目を待たずして二年目に私より先に居なくなる訳ですが(;^ω^)
・基準の理由
始めてから頭の中にあったのは『石の上にも三年』です。
最近は「やってみてダメだと思ったらさっさと辞める方がいい」という風潮もありますね。それも正解のひとつだと思います。
昭和生まれの我々は、未経験の事なのでやはり三年くらいやってみないと分からないだろうと考えていました。
しかし時々で一度歩みを止め、道筋を見極めるポイントを作らなければ無ければ、どんどん資金を事業に突っ込み、後戻りできなくなる事態を招く可能性があります。
それだけは絶対に避けないといけないと考えていました。※私だけが。
この『三年間』という経営者の時間とお金をかけても事業がスケールしないのであれば、流石にこの先の見込みも低いだろう、というのが私の見立て。
事業の問題、経営者の問題、何か歯車が噛み合わないなんて事は往々にしてある事なので、やはり三年は見ないといけないよねって。
継続基準となる黒字額は結構緩くて「1円でも黒字(収支トントン)」であればOK。
1円でも黒字であれば、事業売上だけで事業を回せる資金を生み出している状況になっているので、そこから踏ん張って売上を上げれば利益が出ますからね。
設備投資の発生などで時々赤字にもなると思いますが、日を追う毎に黒字に戻せる可能性が高い状態まで持っていけるかが、この事業を行う上でのKPIでした。
・情報量が増加
最近はこの事業の分母数(関係するオーナー数)が大きくなり、ちょくちょくネット情報を見かける機会が増えた気がします。
※なぜか短期間で消える事が多いので、みかけたらコピペしたりしてました。
そんな情報から色々な事が分かってきました。
店舗の収益化は約5~6年かかる。
4~5年あたりで、もう一店舗を計画していくのが成功に向きやすいみたい。
一店舗だけでは難しいという事。
最近の同系事業の広告で出てくる先輩オーナーの経営店舗が複数店になっているので、複数店を運営するのが正解なんだと思われる。
これは私も共同経営者に向け、ずっと言っていた事だった。
考えていた事は正解だったことを答え合わせできた。
スケールは非常に緩やかなため、初期投資分はずっと回収できない感じらしいということ。
そうなると、3年目でも赤字は仕方ないレベルに思える。
やっていて「このままいけばなんとかなるんじゃないかな?」という微妙な感覚は合っていたのかもしれない。
その間、経営者は基本的には儲かりませんけどね。
私の月額報酬は額面で8万円か0円のどっちかで、基本的に0円の方が多かった。
一応、現金不足になっても自己資金を注入し、家賃の支払い、本部への支払い、従業員給与、各種保険料、税金などは遅延させずに支払ってきました。
そこは経営者として、誇りたいと思います(笑)
完全に自腹経営。辞めたくなったのはこれがいつまで続くのか分からなかったから。
老後資金も全部使い果たして終わりそうだったので。
・自分達が食っていけるのかどうか
開業半年、私の中での結論が出ていました。
『これだけでは食っていけない』
社会的貢献度の高い仕事ではあるので、可能であれば続けていきたい気持ちもあった。
当時の”食っていけるか”基準は「経営者一人当たり額面30万円の報酬が稼げるか」である。
つまり、経営者二名分60万円の経常利益が出せるか。
一人30万円は起業当初適当に決めた額で何の根拠も無かったが、直前に勤めていた会社で出ていた給料額だったからだろう。
事業計画を作る前、そんな給料の話が共同経営者から出てきた微笑ましいバカ起業家時代。
現実を知らない脱サラリーマンの典型であった。
普通に働いて毎月30万円の給料が貰えていた事に感謝すべきであり、当時の会社の社長に対し、共同経営者が「給料を減らされた」と恨みを抱いている場合では無かった。
文句を言っていた給料の額すら得られない生活が始まってしまったのだ。
一店舗の利益で、経営者二名分の報酬を賄える程の利益は出せない事が判った。
ちょうどそれを裏付ける意味で良いサンプルとなる同業他社の事業継承店舗モデル情報があったので引用。
※月間配食数6000食の場合/法人、スタッフのべ6名、15坪
◎売上高:336万円
-原価(食材費等):144万4800円
-人件費:97万7300円(社員1名含)
-販管費(地代家賃・光熱費・ガソリン代・ロイヤリティー等):59万6800円
●営業利益:34万1100円引用元:アントレ
かなりリアルな数値が出てきたと思った。
事業継承なので、あまりおかしな数字を出すとデューデリジェンスで引っ掛かるだろうから事実に近しい額だと思う。
試算もしてみた。
加盟者を募るための”だったらいいなのお花畑数値”である本部試算とは違う結構リアルな数字。
大体のお店は年中無休営業が標準なので、平均30日として一日200食計算。
当時のうちの倍近い売上を作ってようやく営業利益が34万。
お手本となる営業利益約10%。
しかしだ、この営業利益額に喜んで、ほいほいと事業継承などしたら痛い目を見ると思った。
理由は『営業利益』だからだ。
・忘れちゃならない『消費税』のこと
年間売上1000万円以上は、消費税の納付事業者として判断される事になる。
インボイス制度などの話がありますが、売り先が個人なのでインボイスはあまり関係ない。
仕入れは関係ありなので、本部はやるだろうね。
これは購入時に支払う消費税のことではなく、お客様から預かった消費税のことで、事業主が税務署に納めるものです。
月売上336万円、年商4000万円クラスの店舗。
月の営業利益は34万1100円
営業利益は、本業で得た利益になりますから、『(売上-原価)-販売管理費』で出た金額を指します。
消費税をザックリ計算します。
食品なので税率は8%。
売上分 268,800円
仕入分 115,584円
売上分-仕入分= 153,216円
営業利益 341,100円 - 消費税 153,216円 = 税引後利益 187,884円
年間営業利益4,093,200円に対し、年間で2,254,608円の消費税を納める事になる。
月の税引き後利益は、341,100円 ー 192,000円 = 149,100円となる。
※普通毎月同額とはいかないが、計算上同額で試算。
運転資金や設備投資的にもいくらか残す事は必要だろう。
仮に5万くらいを店に残すとしたら、9万くらいが報酬になる。
社会保険関連で2.7万円ほどの支出があり、手残りとしては6万円ほどの計算。
これがリアル。
※いくら残すのかはオーナー次第なので数字は適当。
~2022.1追記~
引き継いだ店舗の現オーナーから近況報告があった。
なんと月商が400万円になったのだという。
その売上に至った大きな理由は、近隣の店舗との合併。
本部はその地域に多くの店を出店しようとするが、ニーズが分散するだけで売上の増加が思うようにいかずオーナーが疲弊する時期っぽい。
結局小さな店舗のオーナー同士でチキンレース状態になり、どっちが先に辞めるのかを伺う不毛な経営戦略。
よく聞く「FC本部だけが儲かる」みたいな状態に陥りやすいのがこの状態だと思う。
結果的に自己資金が潤沢である引き継ぎオーナーが勝負に勝って、閉店したオーナーを吸収し店舗運営を一任しているらしい。
それで閉店店舗の顧客を引き継ぎ一気に売上が増えた。
二店舗の売上をガッチャンコしたので、月商400万になったと。
新オーナーが閉店オーナーのFC解約の違約金を立て替え、毎月の給料から天引きで支払う形になったとかならなかったとか。
売上増を聞いたこちらは、すぐにに「おめでとうございます」と伝えたが、返ってきたのは「儲かりませんわ」という現実的な返事であった。
やはり上記で計算した通りの結果で、オーナー一人が十分な報酬を得ながらの悠々運営という訳にはいかない様だ。
最近はガソリン代も高く、安い弁当を高い配送費を使って運ぶ。
儲かるイメージが浮かびません。
新しい売上を作る為に、弁当以外の商品も売る事に決めたんだとか。
ここは会社でやっている強みなのかな。
ちょっと規約にも引っ掛かりそうだけど、最初はあくまでもご提案からなので、厳密には店舗とは別で動いている状態になるからいいのか。
この月商300万円超の物件でも、オーナーが得られる利益がこれくらいになる試算だから、これだけで食っていくのはキビシイ。
くれぐれもオーナーが現場作業に入り、その分の人件費を減らして自分の収入を増やすという”間違った判断”をする事は避けたい。
巷で疲弊するコンビニオーナーと同じ結果になります。
うちの店を引き継いだ方は「絶対に現場作業には入らない」という強い意志を持った方で、自己資金も多めだったので売却先に決定しました。
悪夢の再来を避けるために「脱サラして、融資を受けて引き継ぎます」という方はお断りした。
実際に引き継いだ方曰く「この商売は利益が出にくいので、商談ネタとして社会貢献事業をやっていますを利用する目的だけのためにやっていくつもり」と言っており、引き継ぎ期間中の二か月の間に、このビジネスの収益性や根本原因についての理解をされていました。
他にも事業をされている方なので、その事業仲間とも色々相談し、それで出てきた結論が「儲からないね」であった。
・収益化のしにくさ
自分達の時は月商170~180万円あたり。
散々試算したので、この売上で黒字になるはずがない事は把握済。
三年で売上額が180万円で、手取り6万円を手にできる月商300万にするには標準的な成長期間として、あと三年の期間が必要となる。
売っている物が物だけに、短期間での売上倍増などのミラクルは起きにくい。
※一応やり方はあるのだが、それも環境が整わないと無理。
以前、我々の出店から半年遅れで同エリアに出店した同チェーンオーナーが約半年で撤退する事となり、撤退期間中の顧客引継ぎなどで何度か話す機会があった。
そのオーナーさんの撤退理由は「収益化するまでの期間が長期になる事がわかったから」だった。
その方の基準では1年~1年半以内に投資回収、2~3年目から収益化で考えていたらしいがそれは無理だという試算が出た。
「初期投資の回収はできないと思う」と語っていた。
これも何かの縁と色々お話を聞いていくと、本部社長がオーナーさんの加盟に際して、同エリアのうちの店のことについて「あの店は会社で加盟しているので、すぐ撤退しますよ。と言っていたから私は加盟した。」と暴露してくれた(笑)
確認しようがないので事の真偽は不明だし本部社長に聞いても真実にはたどり着けないと思う事なのだが撤退するオーナーにも思うところがあったと思うし、老婆心でそんなんなんだよという事を教えてくれたのかな。
そこで本部社長が言っていた「会社で加盟してすぐ撤退」とは『収益化できない』という事だよね(;^ω^)
会社だと事業撤退の決断も早そうだし。
でも裏を返すと、個人開業でもそれは一緒じゃないかな?
真偽は不明だが、仮に本部がそういう意識なら撤退して正解だったと今は思う。
撤退するオーナーが、単に道連れにしようと思っただけかも知れんけども(笑)
・実際の報酬状況
一年目
無休で働き、利益が無くても運転資金だという甘えから、毎月二名分の役員報酬(額面7万、手取り5.8万)が出ていた。
まだ収入の事は考えず、前向きに自分達の商売を拡大させていく事に邁進していた。
営業利益▲500万円
二年目
相変わらず利益が出ないので、私は無報酬に、共同経営者は前年同額の額面7万で。
四半期1~2Qまでは変わらず前向き対応。
受注も来るもの拒まずで配達効率が悪化。赤字顧客が発生し始める。
3~4Qで、営業方針を変更。日曜休業、遠方配達客を受けない事とした。
営業利益▲200万円
三年目
変わらず一日の大半の時間を奪われつつ無収入。共同経営者は前年踏襲(額面7万)
流石にこの状況で生活を続けるのは難しいと思い始めた。
営業利益▲50万円
債務超過は約800万円程に。
四年目
四年目は一ヵ月だけの在籍。
引き継ぎの期間は時給制で外注扱いとしてもらう形となった。
約二週間の対応で、10万程の収入を得る事ができた。
しかしまぁ、こうも長いこと無収入が続くと気持ち的には慣れますねw
それでも生き残れたのは、一年目から収入的に厳しい状況になるだろうを予想して、固定費の削減を積極的にやってきたのが効いたと思う。
そして読み通りの展開。
・ビジネス的にどうだったのか
構造的問題
どうしても『薄利』となってしまう。
原価率は飲食店としては結構高めの45~47%程で推移していた。
通常価格が550円として、原価258円(ごはん+おかず)
265円が粗利。(A)
配送に関する費用が、
燃料代20円/食
人件費76円/食(盛付+配達)
デリバリーコスト96円(B)
A ー B =169円(C)
店舗維持の固定費を一日あたりで案分すると、約20,000円程であった。
上記(C)のコストを賄う為に118食分の利益を消化する。
当時の一日の食数が約120食だったので、2食分の利益が残る。
2食 × C =338円の一日利益。
※120食以下の日もあるので、このたった338円すらの利益も獲得できない日がある。
営業日数約25日で、およそ8450円の営業利益だが、翌月の食材(米)を先行で発注しなければならない事業もあり、このわずかな利益も残らずに最終的には赤字となってばかり。
これでは想定していた役員報酬など取れるはずもないし、目標としていた一日200食ペースのボリュームになっても、税引き後利益を考えるとかなり厳しい状況。
よく引き合いにだされる儲かっている先輩オーナーのお店事情は全国TOP10あたりの店なので、後発組がそこにいくのに20年以上はかかる可能性も(笑)
10~13年くらい前の業界スタートボーナスのドーピングがあった時代に一気に伸ばし、現在横ばいか少し減らす傾向だが一日400食以上の化け物たちである。
ただ利益を出し続けるのがビジネスで一番難しい事なので、少額でも利益が出続けるところまでいけば成功であるとも言える。
これは個人の考え方のところもあるので、どれが正解とは言い難いのだが。
なんで利益が出ないのん
それにしてもなぜこんなに利益を出すのが苦しいのか。
配送が無料だからである。
ウーバー等のデリバリーシステムでも別に配送料を徴収している。
そして販売している商品も、店頭で購入するより割高である事が多い。
何が言いたいかというと、高齢者配食は配送料を別で取っていないが故に、必然的な薄利環境にならざるを得ないという事である。
本部にどうしたらよいのかを聞くと、「もっと売る数が必要、値引きすれば数は増える」という薄利多売を勧めてくる。
その様な薄利ビジネスをする場合、”多売”をしなければ成り立たないのだが、固定客相手の無料デリバリー事業の為に多売が出来ないという課題がある。
1台で配達できる量が限られる。
これを解消するには車両と人員を増やす事になり、雀の涙の利益も吹き飛び、赤字街道を走る事になる。いつになったら黒字になるのか見えなくなる。
1食1食を毎日配達するのは非効率すぎる。
その点ワタミの1週間分まとめて配送は考えられているというか、普通に考えればそりゃそうだわと思うのである。
更に市のサービスに参入すると配達の時間制限があるので、単に食数を増やしていけばよいという事ができない要因にもなっていた。
配達も『無料』、見守りも『無料』と何でも無料でやる事となり、宅配業務として利益が取れない構造。
・二年目以降の決算結果
二年目
赤字。
大方予想通りの売上推移で、傾向予測が確信に変わりました。
二年目は、ポツポツと黒字になる”勝ち月”が五カ月出てきました。
その数字を見て、三年目に勝ち月を増やしていけば、年間で黒字化出来るかなという感じだった。
三年目
赤字決算
二年目の売上動向と同じ状況。売上は横ばい。
当然私の役員報酬はありません。
一年を普通に運営しているだけで、毎年200万程の債務が膨らむのが平常となっていた。
経営者が生活費を取れない状況はそのままに(笑)
そして諦めた。
・同業他店の動画やブログで情報収集を開始
同エリアで開業し、半年で閉めたオーナーさんと偶然繋がりお話を伺ったり、同業他店のオーナーさんがやってる動画を偶然見つけ「一年目で月の営業利益が25万になった」とやっていました。
『月商150万円を稼ぎ出す店舗のルーティン』と銘打って、いかに活動をしているのかの詳細が。そのオーナーさんとは、とある理由で会った事があるので知っていました。
それを見て素直に「すげー」って思いましたが、その方が書いているブログに毎日のルーティンが書いてあり、それを見て純粋に「過酷だなぁ」と感じました。
そう思った自分も基本的に同じ様な状況でしたが、改めて文面にすると過酷さが際立つ。
休みは店休の日曜日だけ。
夫婦で朝6時から21時(15時間労働!)まで働いて一人あたりの営業利益は12万。
売上が150万と言ってましたので、この先消費税納税義務がザックリ7万発生したとして18万円の手残り。
個人事業主の方だったので、夫婦の年金、保険を払って14万くらいか。
住み家が賃貸だったら家賃も払う事になるね。
「貯金0円だったので借入を500万した」と言ってけど、この借金の元本返済は始まっているのだろうかと気になった。
元本返済がすでに始まっていて、25万円の営業利益ならかなり凄いと思う。
もし元本返済がまだなら月の返済額は約6万くらいになるだろうから、経常利益8万くらいか。内情を知って、勝手に同業さんの事を心配してしまう。
同業なんで色々な経費発生の実情を見ていくと、夫婦二人でバイトに出た方が短時間労働でもっと稼げる。
時間労働以上の収入を目指すならバイトでは無理なので、オーナー業が道筋なのだが、労働集約型事業で個人事業主が行うレベル感の活動だと抜け出せない可能性が高い。
オーナーは現状を「会社や上司に縛られず自由になれる起業です」って。
それってどんなギャグ?と思う様なセリフだったが、至ってマジメな意見なんだろうと思う。
書いてある働き方を見る限り、これって『個人契約従業員』だよなと思った。
労災も出ない危険なお仕事。
最近はオーナーさんも状況が変わってきたのか、ネット上の更新は滞っている。
動画コメントには、現状を心配をする声がチラホラと。
・経費のジレンマ
売上を上げる為に食数が増えれば人を雇わないといけない。
車両も増やさないといけない。経費は嵩むばかりである。
固定費はそのままではあるが、例えば食数が100増えるのに4名のスタッフが追加で必要となる。当然車両も4台必要だ。
よく50食で損益分岐とかあるが、試算には出てこない保険やら備品費用やら色々とある。家が喫茶店やってて、家賃が掛からない状況だったら、いきなり固定費の8~10万を抑えられるので、有利に進めやすいだろう。別で賃貸する場合、保証金などでいきなり30万とか出ていくから手持ちの資金が少なくなる事も計算しておかないといけない。
試算情報で「100食まではオーナー一人でOK」とかあったりするが、あれはかなり特殊(施設に60食納めてるとか)の事例だろう。後々揉める元になるのでどこかの事例であり嘘では無いのだろうが、その数字を運営上のポイントとして鵜呑みにするのは危険すぎる。
・安定するのは
youtube動画でかなりの食数(一日300食~)を捌いている動画があったが、そのレベルになって収益が安定するだろう。ちょい黒クラス。
その店は調べてみると、その業界の初期に創設され、現在まで続いているトップ
そこまでいかなくとも当時の自分達の一店舗だけでは、収益化を図る事が難しいという試算となった。
・打開策を模索
まず売っている商品の特性から、一発逆転ホ-ムランが出る事が無いビジネスモデル。
どこかの時期で大逆転を図る事ができません。
売上規模が横ばいに推移していきながら、上がったり下がったりを繰り返し、ジワジワと長い時間をかけて上がっていく傾向。
収益化がかなりの長期展開になる予定であり、その間は経営者が満足する利益が取れないという現実的計画。その経営者が現場作業に入って無償で働いても赤字なので、人を雇ったら圧縮した赤字がまた噴き出すのが100%。
その成長スピードでライバル店などが参入してくれば、成長が鈍化しさらに収益化が遠のく。
そんな気概でビジネスやってたらそうなるわという感じもしますが、動ける方法が近隣のケアマネさんに訪問して紹介してもらう流れ、もしくはネット経由できた資料請求に対応するというくらいしかないので、参入が後になるほど厳しい戦いになる業界ではある。
紹介も公共性が高い立場の方々なので、どこかに集中してという動きもされにくいのだ。
しかし、既存店舗が無くなる事での特需は発生するかもしれないが、それは明日の我が身なのかもしれないので油断は出来ない。
どの業界でも同じだけどね。
・共同経営者の破綻
二年目経過、税理士からの決算資料と私からの試算報告として当時代表だった共同経営者に「事業の収益化はあと数年かかりそうだ」という話をしてから、共同経営者から自身の生活がヤバイとの話が出始めた。
元々生活水準を落とすでもなく毎月手取り5.8万円の収入では、月10万超の住宅ローン持ちでは当然やっていけなくなる。
足りない生活費の足しにと夜間バイトにも手を出したが、火に油を注ぐ様な状況である。
ちなみに私も別の夜間バイトに入ったが、そういう時にかぎって弁当屋が忙しくなり、一ヵ月程で退職を余儀なくされた。
本業無収入の男がバイトで4万円ほどの収入を得た(感動)
そんなこんなで、生活破綻しかけている共同経営者には「まずは生活費を得られる職に就かないといけないから、後の事は任せて退職してもいいよ。」と提案した。
そして共同経営者は退職した。
「後の事は任せて」なんて、何も策が無いのによく言ったなと今でも思う。
共同経営者を今の不安から解放してやりたいという気持ちが先走った結果。
その後、冷静になった時には不安しかなかったけどね。
でも、なんとかなるだろうと持前の楽観さが出た。
・単独経営になってから
それから全てを自分で決める立場になったので色々変えていった。
ちょうどコロナ融資が受けられたので、一時的に資金繰りに余裕が出来た。
その頃、教訓を得たのが「金がないときにかぎって余計な出費がある。」ということ。
過去、新店長による事故や食材の発注漏れなど、金が無い時に発生していた。
しかし資金に多少余裕が出来ると、そういった現況になっていた人物もいなくなり、至って安定した状況になっていたのだ。
本当に不思議であったが、それまでの環境があまりにも異常だったんだろう。
なんとか赤字額の縮小もできつつあり、これからの展開に道筋をつける事にした。
①細々と続けていく
②どこかに売却する
この二択に絞った。
メインは②であるが、例え売れなくても①があるので困らないという二段構えである。
想いの外早く売れたので、火の車からなんとか脱出できたのである。
・最後に
事業撤退も戦略のひとつです。
これが無ければ、私はまだあの場所でもがき続けていた事でしょう。
今考えてもゾッとします。
失敗なんて誰でもしていますし、失敗であったと言えるという事は、その失敗中の状況から脱却できている証拠です。
*1:これまでかけた投資金額など