Kenteko Blog

世間に渦巻く罵詈雑言を無視し健やかに生きるために

【小規模M&A】【会社売却】 私の場合③

 

 

・問い合わせの波が止まる 

サイト登録後、日々の作業をこなしつつ、問い合わせにも対応しつつで忙しく動き回っていましたが、初動から一ヵ月ほど経過すると、パタッと問い合わせが止まってしまいました。

「もしかしたら売れないかも」などと思ったり。

でも、そうなったらそうなったで「自分でこの商売をやるしかない」という覚悟も同時にしていたので、パニックにはなりませんでしたが。

 

当初アドバイザーから

「三か月程度で売れるのではないかなと思っています。」

「大体それくらいが標準的ですよ。」

「そこまで悪い条件ではないので、大丈夫だと思います。」

と言われていたので、それに縋る思い(笑)

※後日談で債務超過が買い手さんのほとんどにとってネックでした。」と暴露していたので、買い手側の希望条件的には結構ギリギリだったのかも(汗)

 

具体的な期限認識を示してくれた事が、前向きな対応に繋がったのかもしれません。

私自身も「あと三か月くらいなら何とか耐えられる」と、意識上のゴール設定が出来たので乗り切る事が出来たと思います。

これが一年、二年とズレ込んでいたら「おかしい、おかしい」と精神を病んでいたかもしれません。

パニックにはならないけど、追い詰められてはいました。

 

 

・一気に決める 

掲載から三か月経過した頃に、いくつかの買い手さんへ購入の意思確認をアドバイザーから入れてもらい、購入意思を示した三名の候補に絞らせてもらいました。

それから具体的な購入金額提示になります。

買い手側から提示があった条件は同じでした。

「これまで会社に貸し付けてきた「役員借入」の全額免除(債務放棄)」

私と元共同経営者からの借入れ合計が400万くらいありました。

私が220万くらいで元相棒が180万の内訳。

結構な額ですが、それを惜しんで「やっぱり売りません」としても、私に益はありません。続けても無給状態が数年続くだけなんですから(笑)

明らかになった金額は、サンクコスト*1になってしまったものなので、私は即座に諦める決心をしました。

問題なのは、元共同経営者の分。

 

生活費苦という自己都合で、経営者からの離脱をしたため「投資資金の回収ができないと困る」などと言い出しそうな気がしてきました。とりあえず確認をせねばと連絡を取りました。

程なく連絡がつき、今回の経緯を説明。

 

三年目の開始時点で、事業成長に陰りが出てきていた事はお互い理解していて、どこかで事業撤退を考えていたことを確認。

退職時に伝えた「後は任せろ」の結論がコレであることを伝えました。

結果は特に揉める事もなく「一任します」の回答を得る事ができた。

 

 

 

・借金背負わずに終了

私と元共同経営者のお互いが、借金を抱える事なく終われたのは幸いだと思います。

元共同経営者なんて、今ある個人の借金(住宅ローン)に会社の借金を重ねる事になってしまう予定だったので、これ以上借金が発生しないらなという思いだったかも。

 あと、引き際をちゃんと考えず「まだいける」と感覚に任せてやっていたら、大火傷どころじゃ済まなかったかもしれませんし。

ほんといくら事業の為とはいえ、利益が出ない事業の為にする借金は悲惨な結果になります。

 

 

 

・怪我の功名 

通常こういった”脱サラ向けフランチャイズビジネス”は、個人加盟するパターンがほとんどだと思います。

私たちは会社を作ってしまっていたので、会社で加盟する事にしました。

それにより『事業譲渡』ではなく『会社譲渡』の選択になりました。

もし個人事業でやっていたら、全契約書のやり直し。

店舗物件は元共同経営者のコネで借りれた場所の為、色々揉めて先に進めなくなっていた可能性もあります。実際、新オーナーに対する風当たりが強かったのを目の当たりにしましたし。

またFC本部が「事業の引き継ぎはできませんので、一旦解約して新規に契約となります。」となったら、その時点で違約金発生ですからね。

 

「融資」も会社の借金として処理が出来ているので、会社譲渡の際に保証人の切り替えなども新しい代表へ引き継ぐ事が可能でした。

その点で、会社法人にしておいた事が物事をスムーズに進める事に寄与したというメリットがありました。

本来は、個人でこじんまりと始めるのが最適なビジネスである事は間違いありません。

 

 

 

・そして売却へ 

会社の「役員借入」の債務が無くなった事で債務超過金額が一気に軽くなりまして、買い手側もそれなら、という感じでトントン拍子に進みました。

当然売れた金額でのサンクコストの回収額には至りませんでしたが、私も売却までの対応手当と、これまで貰えなかった役員報酬の穴埋め分として、売却金額は自分が受けとる事にしました。足りませんけどね。

※元共同経営者は赤字でも毎月役員報酬を取ってましたのでなしで。

そこからアドバイザーに委託手数料を払うので、残るのは微々たる額です。

 

その後、登記変更なども順調に進み、無事売買契約締結後一ヵ月で会社の売却が完了しました。

 

 

 

・最後に 

なかなか会社を売る経験なんてないので、今回貴重な経験をしたと思います。

当然ですが事業が上手くいっていれば売却をする事もなく、日々業務に邁進していたと思います。

今回参入してみた高齢者配食サービス。

ニーズがあるので集客は出来るんだけど、利益が中々出せない構造的問題を抱える。

理由は『薄利』だから。

新オーナーとも話していたのだが、とにかく本部が儲かる仕組みが作り上げられていて、完全なる勉強不足でまんまと嵌まってしまったのである。

新オーナーはもうこの事業で儲けを出す事は諦めたらしい(笑)

 

そもそも共同経営(両方がこれで食っていく算段をしている)でやってるバカさ加減。

 

ブログ記事や動画などで語られていた事で、このビジネス運転資金は800~1000万円ほど必要であり、それとは別に二年程度は生活できるだけの生活費を確保しておく。

我々の場合、運転資金が初動150万円くらいしかなく、別で生活費を確保していなかった元共同経営者は安定の火だるま生活、準備不足はかなりのものだと思います。

いきなり『兵糧不足』で戦っていたという事ですね。

 

微妙にやってる事がギャンブル性を帯びてきたのも、元共同経営者の生活不安が話され始めた頃だと思う。

費用対効果がマイナスとなる試算が暗算でできない経営者とか。

 

徹底的な準備不足による敗北でした。

今では当たり前の事もまったくわかっていませんでしたね。

高い勉強代でございました。

 

 

 

 

*1:これまで投資した金額で回収できなくなったお金