Kenteko Blog

世間に渦巻く罵詈雑言を無視し健やかに生きるために

起業しても自信が無いから安い商売を選んでしまうのだ

どもKENTEKOです。

 

赤字経営者をやっていた三年前からの起業ですが、事の始りは大きな額の商売を始めるのが『怖い』という心理からの失敗でした。

 

 

 

 

資金の大きさにビビる

起業後すぐにに引き合いがあった話は、最低でも出資金1000万円からのスタート案件。

当時代表であった共同経営者が、その額を準備する事が出来ない可能性が高いという思い込みから、その話を流してしまいました。

※私に相談なく断った。共同経営とは一体?

 

参入障壁が高いという事は、小資本で安易に参入が出来ないという事の裏返し。

その場所での商圏を脅かされる心配が少ない(全くないという事ではない)。

成功するかはどうかは誰にも分かりませんが、実際話を聞いていた内容から、事業における生産性は高いと感じた。

本社は社員二名(社長と社員)で年商2億を5年以上続けている実績あり。

社長自らサポートをするという厚遇っぷり。

元々は実店舗の運営タイプでしたがECもやっており、当時その比率をECへ傾けている最中の状況でした。

そのタイミングでの新規加入募集の案件。

 

 

 

ついつい利益が安い商売を選んでしまう

実際に始めたのは、高齢者配食サービス。

最近は同系統の会社が、ほぼ加盟金0円を打ち出し参入障壁を引き下げて、脱サラ組を引き入れようと躍起になっている業界。

このビジネスを始めて我々は『誰でもできるが。誰でも勝てる訳ではない』という事を嫌という程思い知らされました。

参入障壁が低いという事は始めやすいのですが、競争激化による値下げ合戦に入りつつあります。

我々がやっていた地域も、元々あった大手(FCでない)が地域の高齢者施設や医療機関との間に太いパイプを持っていて中々入り込めない状況。

 

研修が楽なFCで稼げるところは少ないのが現実です。とにかく入らせれば本部の勝ちである世界でした。

最低賃金の引き上げなども出てくるので、利益が出にくい構造的問題に三年間ずっと遭遇しました。

売価が安く原価が高いなんて環境は、一瞬で「これ利益出るのか?」って理解するくらいの計算が出来ないとヤバイです。

経費が掛かり過ぎるので儲からなかった結論。

 

 

チャンスを活かせない体質が始まる

脱サラ家族持ちの悪い気質で、生活費のために早く仕事を始めたい気持ちから、他社の比較をせずに早々に契約書にサイン。

この時点で、まだ一社しか説明会に行っていないのに。

私は加盟を決めたところ以外も資料請求をしていました。

その翌日、別の会社から電話がありました。

「ご希望のエリアに、すでに営業している直営店があり、そこの営業権を買いませんか?月商300万くらいあります。設備もスタッフも揃っていますので、すぐ経営に入れますよ。」という内容でした。

それを聞いて「中々いいんじゃないかい?」と思い、すぐ共同経営者へ連絡をしました。

これから参入しようとしている身としては、すでに営業中で売上もあるという事がとんでもなく魅力的な話でしたね。

共同経営者から「すでに契約書にサインもしてしまったので無理。」とのそっけない返事。

思えば、もうこの時期から落ちるナイフを必死に掴もうと動いていた気がする。

この時に共同経営を解消し、それぞれで動いていたら違っていたかもね。

 

 

やってる途中にも再起のチャンスはあった

儲からない算段は明確だったので、常にアンテナを張っていた状態でした。

隙あらば知り合いに仕事が無いかを聞いている状況。

そんな地道(笑)な努力の結果か、いくつか新規のお仕事の話が舞い込む事がありました。

やっていたのが飲食業でしたので、同じ系統で病院での入院患者さんへの食事準備の話がきました。

病院の場所も時期も具体的でしたので、すぐに代表である共同経営者へ情報を伝え、クライアントと商談のセッティングを行いました。

平均50~70名の入院患者がおり、朝昼晩の三食を提供する業務。

食材はクライアントが準備したものをレンジ解凍し、器に盛付け病院スタッフへ引き渡すだけというシンプルなものでした。

これは盛付作業を主とした業務請負のひとつですね。

仕入れについても調整次第で、こちらは請負作業分だけの請求という形にも出来たでしょう。

なによりも、毎日150~210食分の委託料収入が入るのが魅力的でした。

1食100円の委託料としても、15000~21000円の委託料となり、一日稼働する人件費を10,000円と試算して、5000~11,000円の営業利益。

月間売上450,000~630,000円、営業利益150,000~330,000円を稼ぎ出す事業のひとつとする事が出来ます。

更にそこでの信用創造を経て、その後関連する他の病院での同業務も任せていきたいという発展性のある提案も受けました。

設備はすでにあるので、追加の設備投資資金も不要だったので、手元資金に余裕の無い我々には渡りに船な話。

私自身はかなり前向きに考えていましたが、そんなビジネスの種も共同経営者はまた”勝手に”断ってしまっていました。

理由は「今は弁当屋が忙しく、自分がそこに入れないから」という非常に陳腐な理由でした。

すぐに私は「何のために経営者が二人居るのか」「何で自分が入る発想しかないのか」と矢継ぎ早に問い詰めましたが、もう後の祭りです。

 

「人にやってもらう発想が出来なければ経営者じゃないよ。」と怒るでもなく悲しむでもない『無』に近い感情で共同経営者には話しました。

赤字経営が止まらない配食事業赤字補填が出来ると、喜び勇んで持ち帰った事業案件も暴走により消滅。

 

紹介してくれた方から「なんか断られてしまったみたい」と連絡があり平謝り。

すぐに「何とかもう一度チャンスを頂けないか」と伝えましたが、「他の方に決まった」と。

そんな短時間でそれは嘘だろうと思ったけど、一回正式に断ってしまった事から入り込む余地すらもらえず。

 

自分が決めた事業は赤字でも推してくるくせに、人が持ってきた案件は常に否定的なのが共同経営者の特徴。

こんなことが何回か続き「自分でやりゃよかった」と思う結果ばかりになっていたので、それからは自分で調整する事にしました。

こちらが何かしら活動していると探りを入れてきましたが、やんわり躱し。

 

その頃から、共同経営者といっても「別に関係ないから」という感情が芽生えていたと思います。

とっくに共同経営は破綻していたんですよね。

 

 

撤退を決めた後押し

この本に書いてあった一文で辞める決意をしたのです。

3年続けても利益が出ていないのなら、社長を辞めたほうがいい

私が代表になった期間は、たったの六カ月ですが、経営者の片割れとして関わった期間は三年超になります。

私が撤退基準として決めていた「三年後の営業利益が黒字になっていなかったら辞める」に合致した一文で、読んだ時に背中に電気が走った気がしました。

 

 

 

赤字経営って無自覚だからなるだけ

毎月150~170万くらいの売上があったんですよ。でも赤字。

経営者は社員と違い、ただ働いていれば自分の収入分が製造されて、毎月の生活費が稼げるという訳ではありませんでした。

毎日クソ忙しく、休日も報酬もなしでやってきましたが、一向に浮上する事はなく。

血迷った共同経営者が、来るもの拒まずで配達エリアを勝手に拡大。

片道20~30分走って、売価500円、粗利291円の弁当を時給1000円のパートさんで片道20分333円、30分500円の人件費を使って一個運ぶ愚行。

そこが今赤字でも客数が増えていけば黒字になる。といういやらしい考えを当時の共同経営者から聞きました。しかし目論見は大きく外れ、そこしか客が居ない状況が半年以上経過。

流石に「客は選ぼう」と取ってきた責任を取らせる為に、共同経営者本人にお断りの説明をさせに行かせました。

こんな簡単な計算すらできないで、仕事を取ってきてしまうのが共同経営者でした。

前職で「俺が仕事を取ってきた」と偉ぶってましたが、実のところ赤字受注ばかりだったのかもと思いました。

 

継続的に売上を作る仕組みを動かし、売上の分配を決め、投資をしながら一部貯金(内部留保)も出来る様に調整をし続ける。というのが経営だと私は考えています。

 

我々のというか共同経営者の失敗は、前述した本に書いてある内容だと、

”社長がエースで4番の会社”を作ろうとしていたこと。

そして数字を見れないものだから、入ってくる以上に使ってしまう。

そして慢性的な赤字経営体質。

 

近所の同業者さんは、一年半で営業利益25万円作ったと動画で言ってた。

この違いは、赤字状態の売上の中から自分の報酬を取る事を最優先で実行してしまった共同経営者の勘違いと、それを止められなかった私の力の無さである。

毎月試算資料を見せて説明し、この範囲に納まる様に支出を調整してと伝えたがずっと叶わず。投資ではなく浪費になっていた。

同業者さんも、そろそろ消費税が発生することになる。

25万の営業利益から7~8万円くらい納税する事になるだろうから、夫婦二名で17~18万の額面だとどこかでバイトしないとキツそう。

 

 

あっという間の資金不足

あっという間に300万円の借入金を溶かして資金不足に陥った。

隔月くらいで、私が資金不足分を入金(役員借入)をしていたので、私分の報酬は一旦受けてまた会社の口座に戻すだけの状態。実質の無収入。

経営者なので、当然事業で利益が出ていない間の無収入は覚悟していたが、共同経営者の役員報酬だけはしっかり支払われている事が赤字の原因のひとつでもあるという事実がどうしても納得いかず、そんな事からも不信感が募っていくのであった。

 

 

上位二割に入っていたのに

ラソンなどで、トップ集団に入っていないと優勝できる可能性はなくなるといった感じで、ビジネスでも上位二割の集団に入っていないと、勝てる確率がグンと低くなるという。

やっていた店は、食数ベースで一応上位二割には入っていました。

なんとか最低限のラインには入ったので、さぁここから!と思っていた矢先に、共同経営者が生活破綻間近となり離脱。

ほんとこれからという時に、先に進められないというおかしな状況が発生しまくってた。

甘いよっ!!

 

薄利小売スタートとなる高齢者配食は、とにかく収益化まで時間がかかる。

共同経営者は自分が続けられないからと、自分が率先してやると言ってた営業活動もいつの間にか停止。

それを「この事業を辞めるかもしれないから、営業は止めている(ドヤァ)」となってたので感情が死んだ。

新規顧客も来ない状況に自ら追い込んでいけば、資金繰りも苦しくなる。

ほんと好き勝手やって勝手に苦しんでいたっけな。

ドMの真骨頂みたいな。

 

 

優柔不断で苦しむ

共同経営者は自身の事を「優柔不断」だと言っていた。

一緒に昼飯に行っても中々決まらない。

それを意識してか、早く注文する事を心がけていたみたいだけど、そんな飯の事はどうでもよく、経営の決断を早くする事に集中して欲しかった(笑)

 

共同経営者の経営からの撤退案は、私がご提案差し上げた。

それすら自分で決められなかったから。

向こうから相談レベルでもあればよかったが、こっちが相談したら逆切れしてけつかるので会話も少なくなっていた。

毎回「そんな対応をされたら相談もできやしねぇよ」って。

 

生活費が無くて無理なんだから、さっさと決めれば良かっただけ。

ずっと身勝手にやってきといて、いざという時に、自分だけが先に離脱して残される私の事を思ってとか、それはEGOだYO!

ただ決まってからは、逆に「ありがとう」という気持ちで送りだせた。

 

 

 

言霊を使って苦しむ

共同経営者の「金が無い」という愚痴なのか悲鳴なのかわからない話を毎日聞いてた。

コッチも同じ無収入だし、会社に隔月数十万単位で金突っ込んでる私の方が金使ってた気がするのだが、共同経営者は自分の生活の事だけで頭が一杯。

そんな心理状態で前向きな経営について考える事なんて出来ないですよ。

 

また、そんな事を毎日口に出して言うと、言霊の力で『金がない現実』を作り上げていくと私は考えているので自分は言わない言葉である。

どちらかというとこれまでずっと『なんとかなるよ』を口癖にしてた。

 

しかし毎日聞かされていたので、自然に潜在意識に刷り込まれていたかもしれない。

自分だけではなく、他人も巻き込む怖い話である。

あまりネガな話は積極的に他人にしない方がいいと感じる。

確実にその人から避けられると思う。

 

こういう失敗で学ぶ

前々職で取引のあった社長さん達に、起業を祝ってもらった思い出。

一人の社長さんが、私にコッソリ「KENTEKOさん一人だったらわからないけど、共同経営はきっと上手くいかないだろうから」って言ってきた。

う~ん、正解!!

 

社長さんたちは、その時から分かっていたんだろう。

私は人生初の起業だったので、浮かれてたと思う。

それにしっかりと釘を刺してくれたんだから感謝。

結果的に失敗しちゃったけど、懸念事項が実証され明らかになったんだから、それはそれで良し。

 

共同経営者が経営者から撤退する時に、知り合いの大家さんにカッコつけて「失敗とは思わない。勉強だった。」とか言ってたけど、「お前どんだけのタコ助だ?」と。

失敗は失敗だ、素直に認めろよ。

失敗を失敗と思っていないから失敗すんだよ(笑)

 

この期に及んで、こんなカッコつけをしてるからダメなんだわ。

横で聞いててなんだか腹が立った。

住宅ローンで首が回らんと毎日怨嗟のごとく呟いてたやつが、カッコつけとる場合か。

日常生活でも、ある以上に金使ってるから赤字なの。

 

こんな感じで共同経営は一緒にやる人物の素養次第で色々と危険が多く、意思決定において窮屈すぎるので、もう二度とやらない。

 

 

 

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