Kenteko Blog

世間に渦巻く罵詈雑言を無視し健やかに生きるために

【起業】【フランチャイズ】やってみての感想(良かったところ、悪かったところ)

どもKENTEKOです。

 

会社を立ち上げ直後から色々な人(前職の知り合い等)に騙された結果、自力でのビジネス構築を諦めて、軽貨物、高齢者配食サービスのフランチャイズに加盟して約三年。

現在では、立ち上げに関わった人物全員が撤退することになりました。

振り返ると反省点ばかりです(;^ω^)

 

今回はまったく毛色の違う業種を経験し、それぞれの良いところ悪いところを見ていきたいと思います。

*1

 

 

 

 

 ①軽貨物

◎良かったところ

・一回単価が高め

集まってくる仕事が「再配達」に関する事であったり、時間指定の企業配関係が多かった関係上、一回の単価が高めの印象でした。原価を燃料代とした場合、粗利率も70~80%程度だったので、適正原価である事は利益獲得に利いてきます。

 

・気楽な場合が多い

 納品時間が決まっている場合に、2時間や3時間の「待機時間」が起こる事が多く、コンビニの駐車場で休憩したり、可能な範囲で好きな事が出来る時間的余裕が生まれる仕事が多かった。

 

・ドライブ好きなら最高かもね

行先は自分で決められないけど、指示のあった場所へのドライブを楽しむ事は出来る。

そこまでの燃料代も経費となるので、認識として自分の持ち出しはゼロでドライブが出来る。

 

◎悪かったところ

・最終処分仕事が多め

スポット便の宿命というか、誰もやりたがらない仕事が舞い込む確率が高い。

重量級家具の再配達やら、やたらと朝早く、やたらと夜遅い系の仕事が多めであった。

通常価格の倍の費用が貰える訳でもないので、労の割にというヤツである。

時間も変則的になるので、それが結構体調に響く時がある。

 

・案件発生が不安定 

やっていたのは「スポット便」だったので、毎日安定して仕事が発生する訳ではありませんでした。その為、月の売上額も不安定。

前日までに連絡が無いので「今日は無いかな」と思って別の事をやってると、急に「今から行けませんか?」の連絡が。しかも報酬を弾んでくれると。でも別件やってるのでお断りする事になった事が何度も。担当者の心証が悪くなったのか、そこから数日仕事が回ってこなかった事もあって、不安定さに拍車がかかった。

 

・思った程稼げない

結局流れた話だが、とある工場敷地内配送の話が来ていた。こういう固定仕事が受けられれば、売上はほぼ安定化すると思うが、スポット便だけの対応だと発生都度の取り合いになるので、案件が多くない時にはまったく回ってこない事がある。

 

 

②高齢者配食サービス

◎良かったところ

 ・未経験でも簡単に始められる

飲食店は未経験だったが、厨房での調理は一切なく、火を使う事も炊飯だけという簡単作業。とにかく容器に盛り付けていく様は工場のようである。

 

・買いそろえる備品が一元化できる

準備されたシステムを使えば、店舗運営に必要な備品を全て揃えられるので、別で買い物に行く必要がない。

 

◎悪かったところ

・営業はそんなに簡単じゃない 

まず立ち上げ時から営業先となるケアマネージャーに店舗を知ってもらい、お客さんを紹介してもらう事が超絶大変である。半年は紹介をもらえない覚悟が必要。

ケアマネージャーにとっては、紹介する方は自分の大切なお客さんであり、いきなり営業と称してやってきたどこの馬の骨ともわからん輩にすぐ任せる訳にはいかない。

顧客紹介までには、かなりのハードルがあるという事を理解しておかないと、相手にしてもらえない理由が判らず心が折れてしまいます。

相手は半年、一年もったお店に任せたいと考えているとの事。お願いした翌月に店が潰れてお弁当の配達がされなかったというトラウマを抱えているケアマネさんも居た。 

 

・必然的に低価格競争に巻き込まれる

現在では、ほとんどの地域に高齢者配食業者が乱立している事でしょう。

配達するお弁当での差別化は難しく、価格を他店と横並びにせざるを得ない状況になります。すると粗利も必然的に決まってしまいます。

儲かっている店でも1食あたりの営業利益は30円程度となるので、希望とする利益額を達成する為の逆算をすると、この低価格がず~っと経営の足枷となる事が早々に分かってしまいます。*2

 

・薄利過ぎる上に多売できない

一食あたりの売価は550円程。

原価は45~47%あたり。一食分を厳密に測れば42~44%くらいだろうけど、食材がパック詰で5食分とか決まった食数分でパックされているので、どうしても余りが出る。

その余りを試食で使うなどの話もあるが、実際のところそんな事をしている余裕は無くて、スタッフの賄いに使用される。なので純粋な原価で考えると47%あたりが現実的。

約290円の粗利の中から、盛付スタッフ+配達スタッフの人件費、燃料代、各種固定費などで260~270円の経費が発生する。手残り(営業利益)は20~30円程となる。利益率3~5%

宅配が当たり前になった業態においても、配送料無料が最も利益に響く。燃料高騰で利益が吹き飛ぶ。

時間制限のある宅配業という側面から、時間内での配達食数を増やすには、車両の増車、スタッフ増員といった設備投資が必要。所謂、労働集約型ビジネスであるが、本来の労働集約型ビジネスは付加価値が高い高額案件では成り立つが、低価格商品の宅配ビジネスでは長く苦しい戦いが続く。

 

・車両にかかる費用負担が大きすぎる

 初期の事業計画と大きく乖離した部分では、燃料代が試算の約3倍発生する事が分かりました。全て軽自動車で配達を行っていましたので、三輪バイクと比べればかかる燃料代が増えるのも当然でしたね。

保険もかなりかかります。更に実際にありましたが、事故起こせば保険料も上がりますし、車両の追加購入なども発生するで雪だるま式に費用が発生。

儲かっていないところに更なる経費負担。あっというまに借入金が溶けました(笑)

 

・備品調達に難あり

システム経由で備品をまとめて買えるのはいいのですが、一個あたりの単価が安くてもロットが多いので、結局購入時には結構な金額を払う事になります。

立上げ時に買った使い捨ての弁当箱も三年目にようやく使い切りました。

一番お金が居る時期に持ち出しが多くなったことで、資金繰りが厳しくなりましたね。

 

 

 

~最期に~

私は「フランチャイズ途中離脱者」なので、あれこれ偉そうに語る事はできませんが、やってみての良かったこと、悪かったことを稚拙ながら書き出してみました。

書いていてビジネスをしていく上での「運」が無かったんだろうなと、今は考えています。

世の中景気が悪いと言っても、儲かっている商売をしている方は居る訳で。

 

さて、二つのフランチャイズをやってみて、仮にもし今やるんだったらどっち?というと選択では「軽貨物」になります。

理由は、

  • 多額の固定費が発生しない
  • 営業利益を上げやすい
  • 人を雇う必要がない(でも雇ってもいい)
  • 働き方の自由度が高い

”多額”の固定費が発生せず少額の固定費で済む、利益額が大きいと何がいいかというと、赤字状態が少なくんなるので費用の持出をする頻度が下がる。

結果、事業の継続性が高まります。

自分が働いている限り報酬は発生するし、走らなければ燃料代なども発生しない。

また、働き方を選択できるというのは私にとってかなり魅力的であると感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:実際の対応年数が少ない中での話ですので、長くやっていく事で見方が変わる事もあるかと思います。その点はご容赦下さい。

*2:我々は一店舗だけで役員二名分の報酬(60万円)を取ろうとしていました。それは無理である事を理解して早々に複数店舗に着手していれば状況は変わったと思います。